忍者ブログ
ゲームと好きなものを語る気まぐれブログ
今年の8月のこと。毎年恒例のセミの幼虫を捕獲して来たので、
網戸にくっつけてあげようと窓を開けました。
左のサッシ戸では網戸との隙間が狭いので、じゃあ右側にしよう!と
勢いよく開け放ったところ…見つけてしまったのです。結構ご立派な蜂の巣を!
そう言えば、朝よく窓枠の上からカリカリ変な音がしてました。
てっきり雀かなんかが外のアルミの柵を歩いてるか突っついてると思ってたら、
その音の正体は巣の付け根を補修するため、蜂が噛み噛みしてる音だったんですね。
シャワーヘッドくらいの巣にびっちりくっ付いていたので、そりゃ驚きました。
最初はパニクって、仕事仲間にヘルプ要請したり、駆除業者を調べたり…。
でも、翌日。凶暴なスズメバチではなく、アシナガバチと判明したんです。

住んでいる自治体のHPを調べてみると、スズメバチは駆除してくれるのですが
アシナガバチは駆除対象にならないとのこと。我々住民が自力でやってくれ、と。
ネットでも色々調べたところ、どうやら彼らはあまり攻撃的ではなく
特にお互いが接近しない限り刺されることもまずないそうです。
結局、私達は巣を撤去しないことにしました。なぜかと言うと、巣のある場所は
我が家の庭に面した窓のひさしの下で、他人様が立入ることは全く無く、
隣家との距離も空いています。近隣の方々を刺す心配は殆どない。
現に私自身、気づくまで真上で洗濯干してても存在すら知らなかったくらい。

アシナガバチは4月くらいになると、越冬した女王が一人で巣を作り始め、
夏に向けて徐々に働き蜂を増やし、ワンシーズンを子育てに費やすそうです。
冬になれば寿命で全て死滅し、同じ巣が翌年使われることはないとのこと。
私達が巣に気づいたのは8月。4月から巣があったにも関わらず、
すぐ上のベランダで洗濯やら布団やら干していた私は察知すらしなかった。
おまけに、鍵を忘れて子供がその窓から出入りしたことも何度かありましたし、
夫が真下で草むしりしたことも。でも誰も刺されることはありませんでした。
彼らを見守る選択をした私達家族。勿論、万一何かあれば全責任を取る覚悟の上で。

それから4ヶ月。12月になって蜂たちはいなくなり、巣は空っぽになりました。
毎日ひっきりなしに働き蜂が出入りし、すぐ近くのお花に飛んで行ったり、
どこか遠くへ出掛けて行ったり、せっせと子どもたちの世話をしていたのが懐かしい。
ひと夏観察した彼らの暮らしぶりは実に興味深く、我々の預かり知らぬところで
大切な命が育まれていること、逞しく生きている小さな命があることを
身を持って学ばせてもらいました。雨の日は皆でじっと巣に固まって子供を守り、
暑い日も風の強い日も、働き蜂たちは毎日一生懸命花粉を運んでいたんです。
最初こそ怖かったけど、段々愛着が湧き、彼らがとても愛しい存在になりました。

そして今日。もう空っぽになったと思った巣をよくよく見てみると
何と、付け根に一匹だけ蜂の姿が。突然カーテンを開けたので身を縮めていましたが
まだ生き抜いている子が居ることに敬服してしまいました。野生って素晴らしい。
人の尺度だけで「怖い、危ない」と決めつけず、本当に奪うべき命なのか
一考することも時には必要なのかな、と思います。彼らの暮らしぶり、生き様に
色々なことを教わりました。ベランダから見下ろしていると、
すぐ足元の軒先からふらっと飛んで行く働き蜂がとても健気で可愛くて…。
天敵・スズメバチが同じ餌場に居ると冷や冷やしたり、気分はすっかり
我が子を見守る親の心境(笑)来年は流石に巣を作られては不便ですので
最後の子が去ったら撤去してしまいますが、とても貴重な体験をさせて貰いました。

強く生きた蜂たちに拍手です。貴重な時間をありがとう。
あなたたちと出会えて、とても楽しい夏でした。
PR
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
PREV ←  HOME  → NEXT
Copyright (C) 2024 浅葱色のシリウス All Rights Reserved.
Photo by あさぎ Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]